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「当店通常価格」と表示できる条件とは?楽天の実績基準を具体例で解説

公開: 2026-08-06 / 最終更新: 2026-08-06

楽天市場で「当店通常価格 5,980円 → 3,980円(33%OFF)」のような打消し線表示を出すには、その5,980円という元値に販売実績の裏付けが必要です。値引き前の価格を自由に決められるわけではありません。

この条件が厄介なのは、「何週間」という数字が2つ登場し、その2つがAND条件になっている点です。片方だけ満たしても表示できません。さらに実績のカウント方法に例外があり、「1ヶ月以上その価格で売っていたはずなのに落ちる」ということが普通に起きます。

この記事では、当店通常価格を表示できる条件を条文レベルで整理し、具体的な日付を入れた例で「満たす/満たさない」を判定します。二重価格表示のルール全体を先に押さえたい方は楽天市場の二重価格表示ルール完全ガイド、すでに設定して表示されずに困っている方は表示されない7つの原因からどうぞ。

そもそも「当店通常価格」は5種類の元値のうちの1つ

楽天市場で元値として表示できる価格は、公式ヘルプによれば次の5種類です。それぞれ必要な裏付けが違うため、まず自分がどれを使おうとしているのかを確認してください。

元値の種類必要な裏付け向いている商品
当店通常価格自店の販売実績(本記事の主題)自社企画品・OEM・実績のある定番品
メーカー希望小売価格商品ページ上に所定のルールに従ったエビデンスを掲載メーカー品で希望小売価格が公表されているもの
参考小売価格JANコードを用いてシステム上で商品ページに引用JANのある一般流通品
旧定価ISBNコードを用いてシステム上で商品ページに引用書籍
その他の比較対照価格種類に応じた裏付け上記に当てはまらないもの

ここで押さえておきたいのは、当店通常価格は「実績」という、後から作れないものを要求する唯一のタイプだということです。メーカー希望小売価格ならエビデンスを掲載すれば当日でも設定できますが、当店通常価格は過去に実際に売っていなければ、どうやっても今日は使えません。この非対称性が、後述する「間に合わない」問題の根っこです。

当店通常価格の定義:「楽天市場内で」販売されていた価格

当店通常価格は、相当期間にわたって楽天市場内で販売されていた価格とされています。この一文に、条件の全体像が入っています。

「値札を掲げていた」ではなく「その価格で販売していた」が基準です。ここを取り違えると、後の判定が全部ずれます。

実績条件:2つの数字がAND条件になっている

公式に示されている条件は次のとおりです。直近2週間の要件は必須で、それに加えて8週間側の要件のどちらかを満たすという構造です。

必須要件: 直近2週間の販売実績

セール開始時点からさかのぼって直近2週間に、その元値での販売実績があること。

これは無条件で必要です。過去に何ヶ月その価格で売っていても、直近2週間が欠けていれば当店通常価格としては使えません。

追加要件: 次のいずれかを満たすこと

  1. 過去8週間のうち、合計で4週間その価格での販売実績がある
  2. 販売期間が8週間未満の場合は、合計で販売期間の過半、かつ2週間以上の販売実績がある

2番が、いわゆる新商品の特例です。発売から8週間経っていない商品には「過去8週間」が存在しないため、母数を実際の販売期間に置き換えて判定します。

図解: 3つの条件の関係

``` ┌─ 直近2週間に元値での販売実績がある ─┐ 表示できる = │ (必須) │ AND └─────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────┐ │ 発売8週間以上 → 8週間中 通算4週間以上 │ ← どちらか │ 発売8週間未満 → 販売期間の過半 かつ │ │ 2週間以上 │ └─────────────────────────────────────┘ ```

「通算」なので、飛び飛びの期間を合算できます。連続4週間である必要はありません。

具体例で判定する

セール開始日を 2026年9月1日 として、元値5,980円を出したいケースで判定します。 逆算の基準日は次の3つです。

例1: ○ 表示できる

期間価格状態
7/7〜7/31(25日)5,980円販売中
8/1〜8/7(7日)3,980円(マラソン)販売中
8/8〜8/31(24日)5,980円販売中

判定: 表示できる。 途中にセール期間が挟まっていても、通算で足りていれば問題ありません。

例2: × 直近2週間で落ちる(戻し忘れパターン)

期間価格状態
7/7〜8/20(45日)5,980円販売中
8/21〜8/31(11日)3,980円販売中(前回セール後、戻し忘れ)

判定: 表示できない。 通算日数は十分すぎるほどあるのに、直近2週間の途中で価格を戻し忘れた一点で落ちます。 これが実務でもっとも多い失敗です。しかもこの状態で救済するには「9月1日から2週間、5,980円で売り直す」しかなく、9月1日のセールには絶対に間に合いません。

例3: × 欠品で通算が足りない

期間価格状態
7/7〜7/20(14日)5,980円販売中
7/21〜8/14(25日)5,980円欠品(倉庫)
8/15〜8/31(17日)5,980円販売中

判定: ぎりぎり表示できる。 ただし欠品が3日長引いていれば28日を割って落ちていました。カレンダー上は「7月頭からずっと5,980円」でも、実際にカウントされるのは買える状態だった日だけです。人気商品ほどこの目減りが起きます。

例4: 新商品の特例で判定する

8月18日に発売した商品を、9月1日のセールに出すケース(販売期間15日)。

期間価格
8/18〜8/31(14日)5,980円

判定: 表示できる。 ただし発売が1日でも遅れていたら「2週間以上」を割って落ちます。新商品をセールの目玉にするなら、発売日はセール開始の2週間以上前に置くのが必須条件です。

よくある勘違い4つ

勘違い1: 他モールや自社サイトの実績も使える

使えません。定義が「楽天市場内で販売されていた価格」なので、Amazon・Yahoo!ショッピング・自社ECサイトでいくらその価格で売っていても、楽天での当店通常価格の裏付けにはなりません。

多店舗展開している店舗が「うちは全チャネル5,980円が定価」という認識でいると、ここで足をすくわれます。楽天への出店直後は、当店通常価格が使えない期間が構造的に発生すると考えておくべきです(その間はメーカー希望小売価格や参考小売価格での対応を検討します)。

勘違い2: 値札を出していれば実績になる

なりません。倉庫に入れている(販売状態にしていない)期間は販売実績に含まれません。 売り切れ、受注停止、ページの一時非公開はすべて実績が積まれない期間です。例3で見たとおり、これで通算日数が足りなくなるのが「日数を数えたのに落ちた」の典型です。

勘違い3: 「通算4週間」は連続していないとダメ

連続でなくてよいです。「合計で4週間」なので、飛び飛びの期間を足し合わせられます。例1のようにセール期間を挟んでいても、元値期間の合計が28日に届いていれば要件を満たします。

勘違い4: 楽天の基準を満たせば景品表示法上も問題ない

別の話です。 楽天の基準はモール運営者が定めた出店ルールであり、景品表示法(不当な価格表示についての考え方)は国の法令です。楽天のチェックを通ったことは、景表法上の適法性を保証しません。とくに「実質◯◯円」「他店より安い」といった表現や、そもそもの元値の設定意図については、法令側の観点で別途確認が必要です。判断に迷う表示は専門家に相談してください。

条件を満たすまでの日数を逆算する

当店通常価格は「今日から始めても最短2週間かかる」性質を持ちます。セール開始日から逆算した節目は次の3つです。

セール開始からの逆算この日までにやること過ぎた場合
56日前(8週間前)元値での販売を開始しておく実績期間をフルに使えなくなるが、まだ余裕あり
28日前(4週間前)元値販売を開始する最終ライン以降の開始では「8週間中4週間」に原則届かない
14日前(2週間前)ここから開始まで元値を維持し、欠品も作らない直近2週間要件を満たせず、今回は表示不可

28日前が実質的なデッドラインです。 そして重要なのは、この逆算に「欠品バッファ」を乗せる必要があることです。28日前から開始して欠品ゼロで28日ちょうど、というのは理論上の最小値であって、在庫切れが1日でもあれば落ちます。実務では40日前を目安に元値販売を始めるのが安全側の運用です。

実績がない場合の3つの選択肢

セール2週間前に「実績が足りない」と気づいたとき、打てる手は3つです。「押し切る」という選択肢はありません。楽天のチェックは機械照合なので、交渉の余地がないためです。

選択肢1: 元値を、実績のある価格まで下げる

5,980円の実績がなくても、4,980円で通算4週間+直近2週間の実績があるなら、元値を4,980円にして値引き率を落とす。値引き幅は小さくなりますが、二重価格表示そのものは維持できます。実績記録が手元にあれば即判断できる話で、逆に記録がないと検討自体ができません。

選択肢2: 別の元値種別に切り替える

その商品にJANコードがあるなら参考小売価格、メーカー希望小売価格が公表されているならエビデンス掲載型に切り替えられる可能性があります。書籍ならISBNで旧定価が使えます。これらは販売実績を必要としないため、当日でも設定できるのが強みです。当店通常価格にこだわって表示なしで戦うより、まず代替の有無を確認してください。

選択肢3: 今回は二重価格表示を諦め、次回に備えて記録を始める

これが正しい判断になる場面も多いです。今回はセール価格の単独表示で戦い、同時に「次のセールで使える実績」を作りにかかる。具体的には、セール終了後24時間以内に元値へ戻し、そこから欠品を作らずに元値販売を継続します。

そして忘れてはいけないのが、販売実績の記録は過去に遡って作れないという点です。楽天の商品ページは過去の価格を見せてくれません。「いつ・いくらで・買える状態だったか」を自分で記録していない限り、次回のセール前にも同じ判定不能の状態を繰り返します。

まとめ:判定に必要なのは記憶ではなく記録

当店通常価格の条件そのものは、覚えてしまえば単純です。

難しいのは条件ではなく、商品ごとに「その元値で何日売っていたか」を正確に知ることです。数百点・数千点の商品を扱う店舗で、これを記憶とRMSの目視で処理するのは現実的ではありません。

私たちが開発している楽天出店者向けツール「セール番人」は、全商品の販売価格と購入可能状態を毎日自動記録し、セール予定日と出したい元値を入れると、「基準OK / NG / あと◯日でOK」を商品ごとに一覧化します。この記事の例1〜4でやった判定を、全商品ぶん機械照合するイメージです。欠品期間の除外も自動で処理します。

記録は遡って作れないため、先行登録いただいた店舗から順に、リリース前でも価格記録を無料で開始しています(先着100店舗はスタンダードプラン3ヶ月無料)。次のセールで「実績が足りない」に気づくのを、当日ではなく40日前にするための記録です。

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免責事項 本記事は、楽天市場が公開するヘルプ・ガイドライン等の情報および公開されている解説情報を、執筆時点(2026年8月)の内容に基づき実務向けに整理したものであり、景品表示法その他の法令に関する法的助言ではありません。記事中の日数計算例は基準の理解を助けるための例示であり、個別商品の適否を保証するものではありません。楽天市場の基準・運用は変更される場合があるため、最新の情報は必ず楽天市場の公式情報(店舗運営Navi・ヘルプ等)をご確認ください。価格表示に関する最終的な判断および責任は店舗様に帰属します。法的な判断が必要な場合は、弁護士等の専門家にご相談ください。 ※「楽天」「楽天市場」は楽天グループ株式会社の登録商標です。本記事は楽天グループ株式会社が提供・承認するものではありません。